指しゃぶり(吸指癖)・爪を噛む(咬爪癖)
2024/02/20
こんにちは、代々木の歯医者、代々木クリスタル歯科医院です。
本日は、歯並びに悪影響を及ぼすと言われているお子さまの指しゃぶりと爪を噛む癖についてお話しします。
指しゃぶり(吸指癖)
指しゃぶりは最も高い頻度で発現する口腔習癖です。
胎児期から認められ、乳幼児期では、生理的な習慣として認知されています。
指しゃぶりは、生後4〜5カ月以降に始まる場合が多く、この時期以降の乳児に見られる指しゃぶりは随意的運動であり、探索行動を表す発達の一現象と考えられています。 1歳半を過ぎるころからの指しゃぶりは、手持ちぶさたや不安などによる落ち着かない感情を和らげるための行動でもあり、無理にやめさせようとすると、逆に多くなることがあります。
弊害は、指にできる吸いだこと歯列への影響ですが、一般的には興味が外に向くようになると自然にしなくなるといわれています。 厳しく禁止してやめさせられるものでもなく、子供の心理的不安を和らげる配慮が必要です。
指しゃぶりが及ぼす悪影響
矯正歯科の立場からは指しゃぶりやおしゃぶりによる上顎前突(出っ歯)や開咬(かいこう=上の歯と下の歯がかみ合わない)への影響が指摘されています。
2歳を過ぎてもやめない場合にはこれらの異常が比較的高頻度に見られ、3歳となるとさらに頻度が高まります。
以前は小児科医と小児歯科医との見解の相違がありましたが、両科の保健検討委員会により、統一見解が形成されています。
指しゃぶりのクセはいつごろ治す?
乳児期(生後12カ月ごろ)~幼児期前半(1〜2歳まで)
乳児期の指しゃぶりは乳児の発達過程における生理的な行為なので、そのまま経過をみればよいとされています。
幼児期前半(1〜2歳まで)では、遊びが広がるので、昼間の指しゃぶりは減少します。
退屈なときや眠いときに見られるに過ぎません。したがって、この時期はあまり神経質にならずに子供の生活全体を温かく見守るようにします。
幼児期後半(3歳〜就学前まで)
幼児期後半になると、すでに習慣化した指しゃぶりでも、保育園、幼稚園で子供同士の遊びなど社会性が発達するにつれて自然に減少することが多いとされています。
しかし、なお頻繁な指しゃぶりが続く場合は小児科医、小児歯科医及び臨床心理士による積極的な対応が必要になります。
小学校入学後
小学校入学後には指しゃぶりはほとんど消失しますが、この時期になっても指しゃぶりに固執している子供、あるいはやめたくてもやめられない子供の場合は、小児科医、小児歯科医及び臨床心理士の連携による積極的対応を行った方がよいでしょう。
指しゃぶりが長引く原因
指しゃぶりが長引く原因としては、- 吸啜反応の延長として習慣化
- 計画授乳を強制した代償として発現
- 精神的緊張を解除する手段、
- 心理的欲求不満
などがあげられます。
矯正歯科においては、指しゃぶりは歯並びや咬み合わせへの影響とともに、発音や嚥下、口元の突出、顎の発育への影響も出ると考えられています。
したがって、不正咬合への進行を防止し、口腔機能を健全に発達させる観点から、4~5歳を過ぎた時点で指しゃぶりをやめさせる方がよいと考えられています。
爪を噛む(咬爪癖)
爪を噛む癖は、咬爪癖(こうそうへき)とよばれる口腔習癖の1つです。3歳ごろから出始め、学童期に増加するといわれています。
学童期の子供にとって、実は咬爪癖は特別な癖ではありません。多くの子供は無意識に爪を噛む癖をもっており、15%以上の小児咬爪癖を経験しているという発表もあります。
自然になくなることの多い習癖ではありますが、大人になっても治らないこともあります。
咬爪癖の主な原因と特徴
咬爪癖は、精神的な緊張の高まりや社会環境に変化があったときに発症することが多いといわれています。
爪を噛むことで緊張の高まりやストレスを解消しようとしているので、無理にやめさせようとすることでかえってストレスが強くなってしまうこともあります。
精神的な緊張がひとつの原因であることから、咬爪癖がある子供は、落ち着きがない、活動的、敏感、神経質などの特徴があることが多いとされています。
咬爪癖が及ぼす悪影響
咬爪癖による歯列への影響として、開咬や上顎前突、正中離開(前歯の真ん中に隙間がある状態)、前歯切端の摩耗などがあげられます。
咬爪癖の治療方法
咬爪癖の治療としては、心療内科などでの心理療法や行動療法などの治療方法が考えられます。
また、人口爪による治療や爪かみ防止用のクリームやマニキュア(人体に影響がなく、苦い味がする)が使われることもあります。
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