開咬を自分で治すことはできる?前歯がかみ合わない原因や治療法について
2024/10/20
こんにちは、代々木駅前の矯正歯科、代々木クリスタル歯科医院です。
「上下の歯の間にすき間が開いている」「前歯がかみ合わず、食べ物がかみ切れない」というお悩みがある場合、開咬の可能性があります。
一見すると歯並びが悪いようには見えないため放置してしまいがちな症状ではありますが、そのままにしていると歯を失ってしまう原因にもなる、不正咬合の一種です。
また、インターネット上では「開咬を自分で治す方法」が紹介されていることもあります。
しかし、これは歯や歯ぐきのトラブルを招く可能性があり、おすすめできません。
この記事では、開咬の原因やリスク、治療法をご紹介します。自分やご家族が「開咬なのでは?」と不安に思っている方や、開咬を治療したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
開咬とは
不正咬合の一種である「開咬」は、歯をかみ合わせても上下の歯の間にすき間が開いている状態を指します。
主に前歯に現れることが多い症状ではありますが、左右どちらか、もしくは左右両側の奥歯がかみ合わない場合もあります。
「前歯で麺類をかみ切ることができない」
「気づくと口が開いている」
「サ行やラ行がうまく発音できない」
こういったお悩みがある方は、開咬の可能性が高いといえます。
開咬になる原因
指しゃぶりなどの癖
開咬になる原因はいくつかありますが、その中でも代表的なのが指しゃぶりなどの幼少期の癖です。
長期にわたって指で前歯を押すことで、徐々に歯が動き、歯並びが悪くなっていってしまうのです。
また、おしゃぶりを長期間使っている場合や、頬杖を突く癖なども開咬の原因になります。
舌癖
開咬の後天的な要因となるのが舌癖です。
舌癖はその名の通り「舌の使い方の癖」のことであり、無意識に舌で前歯を押してしまっている場合や、舌を歯で軽くかむ癖などがある場合に開咬になりやすくなります。
舌癖がある場合、矯正治療をしても後戻りをする可能性が高くなるため、矯正治療と同時に正しい舌の使い方を覚えるための「筋機能療法(MFT)」をすることが大切です。
骨格的な問題
顎の骨格の成長方向に異常がある場合に開咬になることもあります。
主に、顎が小さい場合や後退している場合に起こりやすく、両親や祖父母からの遺伝により発症しやすくなります。
口呼吸
口呼吸が開咬の原因になることもあります。
鼻ではなく口で呼吸をする際には、気道を確保するために舌の位置を前方や低い位置に置く「低位舌」と呼ばれる状態になります。その際に舌が歯を押し出してしまうことで、徐々に歯が動き、上下の前歯にすき間が開いてしまいます。
また、口呼吸により口周りの筋肉のバランスが崩れることも、不正咬合の原因となります。
鼻炎などの疾患があり口呼吸が癖になってしまっている場合には、耳鼻咽喉科で治療をしていただいてから矯正治療を開始する場合もあります。
舌小帯短縮症
「舌小帯」とは、舌の裏と口の底をつないでいるヒダのことです。
この舌小帯が生まれつき短い場合を「舌小帯短縮症」と呼び、舌小帯短縮症では舌の動きが制限されるため、口周りの筋肉の発達が妨げられます。これが、開咬につながることもあります。
舌小帯短縮症の治療としては、舌小帯伸展術というヒダを切除する方法があります。
巨舌症
めずらしい例ではありますが、巨舌症の場合も舌が歯を押し出すことで開咬になりやすくなります。
巨舌症は舌の一部やすべてが巨大化する症状であり、歯並びやかみ合わせの異常を招きます。
治療法としては、舌の一部を切除する方法があります。
開咬によるリスク・弊害とは
開咬をそのままにしておくことにはさまざまなリスクがあります。
食事がしづらい
本人にも自覚しやすい点としてまず挙げられるのは、食事のしづらさです。
上下の歯がかみ合わないため、麺類やサンドイッチなどを前歯でかみ切ることができず、食事がしにくくなります。
咀嚼がうまくできないため、食べ物を塊のまま飲み込み、消化器官に負担がかかりやすくなるというデメリットもあります。
顎関節症になりやすくなる
また、奥歯への負担が大きくなる点も開咬の大きなリスクです。
前歯がかみ合わない場合、自然と奥歯を使うことが増え、奥歯には通常以上の負担がかかります。
それにより奥歯の劣化を早め、抜歯のリスクを高めてしまうのです。
奥歯に過剰な負担がかかることで、顎関節症になりやすくなるというリスクもあります。
虫歯や歯周病になりやすくなる
さらに、虫歯や歯周病になりやすくなるというリスクもあります。
これは、開咬により自然と口が開いてしまい、口内が乾燥しやすくなるためです。
唾液には細菌を洗い流す自浄作用がありますが、口内が乾燥することでこの作用が得られなくなり、細菌が繁殖しやすくなるのです。同じ理由から、口臭や感染症の原因にもなります。
発音がしにくい
そして、前歯がかみ合わず空気が漏れるため、滑舌にも支障が出てきます。
具体的には、サ行・タ行・ラ行が発音しにくい場合が多く、聞き取りにくくなってしまいます。
自分で治そうとするのは危険!
このようにさまざまなリスクがある開咬には、どのような治療方法があるのでしょうか。
インターネット上では市販のマウスピースや割りばしと輪ゴムを使った矯正方法が紹介されていますが、こういった自力で行う方法はおすすめできません。
骨格や歯根など、目に見えない部分を考慮せずにむやみに力を加えることで、余計に歯並びを悪化させたり、歯にダメージを与えてしまったりする可能性が非常に高いからです。
最悪の場合には抜歯が必要になることもあるため、自力で行うのは避けるようにしてください。
開咬の治療方法
骨格的な変形がそれほど強くない場合には、ワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正と、筋機能療法(MFT)を並行して進めていきます。
開咬は舌癖を伴っていることが多いため治療期間は長くなることが多く、2年から3年以上かかることがほとんどです。舌癖が改善しない場合には、さらに長期化することもあります。
骨格的な変形が強く、矯正治療のみでは改善が難しいと考えられる場合には外科手術を伴うことがあります。
その場合は入院が必要となり、手術前と手術後の2回に分けて矯正治療が行われるのが一般的です。
事前の精密検査で「顎変形症」と診断された場合には、保険が適用されます。
まとめ
開咬には、見た目や食事のしづらさといったデメリットだけでなく、ほかの歯の寿命を縮めてしまうというリスクもあります。
自力で対処しようとすると歯にダメージを与えてしまう可能性もありますので、気になる場合は矯正治療を専門とする歯科医院に相談しましょう。
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