前歯が二列になっている「二重歯列」とは?原因やリスク、治療法について
2024/07/20
こんにちは、代々木駅前の歯医者、代々木クリスタル歯科医院です。
一列に並んでいるはずの歯が、二列になっている状態を「二重歯列」といいます。
特に乳歯から永久歯に生え変わる際に起こりやすく、子どもの歯を見て心配になりインターネットで調べてみたという親御さんも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、二重歯列になる原因やリスク、治療法を解説します。
二重歯列とは
二重歯列とは、歯がデコボコと交互に生えている状態や歯が二列になって生えている状態を指します。
「叢生(そうせい)」と呼ばれる不正咬合の一種であり、主に前歯に現れることが多い症状です。
犬歯が飛び出ている、いわゆる「八重歯」と呼ばれる状態も、叢生の一つとなっています。
二重歯列の原因
顎が小さい・歯が大きい
二重歯列の代表的な原因は、歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪いことです。
歯に対して顎が小さかったり、顎に対して歯が大きかったりすると、歯がきれいに並ばず、一部が重なってしまいます。
顎が小さくなる原因としては、柔らかい食べ物が好まれるようになったことで、顎の骨が十分に発達しないことなどが挙げられます。
また、欧米人に比べて日本人は顎が小さい傾向があり、その点から見ても二重歯列になりやすいといえます。
乳歯が残っている
本来は自然と抜けるはずの乳歯が残ってしまい、永久歯が生えるスペースがないために二重歯列になってしまうこともあります。
乳歯は、通常であれば永久歯が生えてくるタイミングで根っこが吸収され抜け落ちます。
それがうまくいかなかった場合に、乳歯に並ぶように永久歯が生えてきてしまいます。
鏡などで口の中を見ればわかるような、永久歯と乳歯がどちらも見えている場合と、歯ぐきの中などに根っこが残っていて、レントゲンなどで見ると確認できるケースの両方があります。
乳歯が早く抜けた
重度の虫歯やけがなどが原因で、乳歯が早く抜けてしまった場合にも、二重歯列になることがあります。
これは、抜けた歯の周囲にある歯が、空いたスペースに向けて動いてきてしまい、永久歯が生えるスペースをなくしてしまうからです。
悪習慣がある
幼少期から習慣になっている指しゃぶりや爪をかむ癖、舌で前歯を押し出す癖などが、二重歯列の原因になることもあります。
これは、指や舌が歯を徐々に動かし、歯並びを悪化させてしまうためです。
二重歯列を放置することのリスク
虫歯・歯周病になるリスクが高くなる
歯が二列に並んでいることで、歯と歯の間が磨きにくかったり、汚れがたまりやすくなったりします。
そのような清掃性が低い状態では、虫歯や歯周病になるリスクが高まってしまいます。
結果的に数本の歯を失ってしまう可能性もあるため、二重歯列の場合には歯ブラシに加えてフロスや糸ようじ、ヘッドが小さい歯ブラシなどを活用して汚れを溜めないように注意する必要があります。
また、セルフケアではお口の中の汚れを落としきることは難しいため、定期的に歯科医院でのクリーニングも受けましょう。
かみ合わせが悪くなる
歯がデコボコに生えていたり二重になっていたりする場合、上下の歯がうまくかみ合いません。
このようなかみ合わせの悪さは、食事のしにくさや滑舌の悪さなどにつながります。
食べ物をうまく咀嚼できないことで、消化器官への負担につながることもあります。
顎関節症になるリスクが高くなる
顎関節症は、かみ合わせの悪さや顎関節の構造、歯列接触癖や歯ぎしりといった悪習慣など、複合的な要因で発症する顎関節の炎症です。
口の開けづらさや開閉音などの症状が出ます。
二重歯列によるかみ合わせの悪さは、この顎関節症のリスクにもなります。
かみ合わせが悪いことで顎の動きが制限されたり、顎に必要以上に負担がかかってしまったりするためです。
コンプレックスになる可能性がある
口を大きく開けると二重になっている歯が見えるため、見た目の不自然さが気になってしまいます。
それにより、口元を隠すのが癖になってしまったり、口を大きく開けることができなくなったりと、行動習慣ができてしまうこともあります。
放置してもいいケース
お子さんの歯が二重歯列になっており、乳歯がぐらぐらしている場合には近いうちに抜け落ちるサインですので様子を見てもかまいません。
また、永久歯の位置が内側にあると感じる場合も、成長過程の中で徐々に外側に押し出されていくことが多いため、一定期間は様子を見てもいいでしょう。
ただし、その状態が数カ月も続いている場合や、乳歯のぐらつきが全くない場合には、歯科医院に相談することをご検討ください。
二重歯列の治療法
二重歯列の治療は、基本的に矯正治療によって行います。
その際に抜歯が必要になるかどうかは、歯並びの状態や歯科医師の判断によりますが、下記のようなケースでは抜歯が必要になることがほとんどです。
・歯を並べるための十分なスペースがない
・抜歯せずに歯を並べると、口元が突出してしまう
・抜歯をしないと上下の歯がうまくかみ合わない
・乳歯が残っている
上記のような場合は、無理に歯を並べることで見た目や機能を損なう恐れがあることから、先に抜歯をしてから矯正治療をする流れとなります。
矯正治療の方法は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用する方法などがあります。
歯並びの状態によっては、部分矯正で治療することも可能です。
治療期間の目安は2~3年となっています。
お子さんが二重歯列になっている場合、前述したように一度様子を見ても大丈夫ですが、心配な場合には予防矯正という方法があります。
予防矯正とは、歯並びの悪化につながる指しゃぶりや舌癖といった悪習慣を改善し、正しい成長を促すための矯正治療です。
お子さんに「口がいつも開いている」「口呼吸をしている」「指しゃぶりが直らない」「食事中にくちゃくちゃと音がする」「会話中に舌が見える」といった悪習慣がある場合は、ぜひご検討ください。
予防矯正では、悪癖を取り除くための口腔機能訓練(MFT)や、口腔機能訓練だけでは改善が難しい癖を改善するための専用マウスピースの装着を行い、顎の発達や整った歯並びの獲得を目指します。
将来的な虫歯・歯周病・歯並び悪化のリスク軽減につながり、トレーニング時間やマウス装着時間は通常の矯正治療より短いため、お子さんへの負担も少ないというメリットがあります。
まとめ
内側に生えている歯が、前歯にしっかり隠れるように並んでいる二重歯列は、不正咬合の中でもめずらしい部類に入ります。
そのため、治療を受ける場合にはいくつかの歯科医院で話を聞き、不安や疑問をなくした状態で治療を開始することが大切です。
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